土曜日, 2月 10, 2007

2月9日

中南米コスタリカ首都サンホセのちょっと郊外にあるサンタアンナという小さな町の宿に来ています。山肌のうっそうとした熱帯雨林の中に建てられているすべて木造りのこのマラニョンというホテルはオーガニックで有名だと説明されました。つまり環境にもやさしいホテルというわけです。零下5〜6度だったワシントンDCからこの国へ着いたのですから、もちろんからだは喜んだのですが、なによりもここの大自然とそれに寄り添うように生きているコスタリカ人の雰囲気に、いっぺんに馴染んだと言うのが本当のところです。なんだか鴨川に帰ったような村のたたずまいが懐かしい感じです。

3面がガラス張りの部屋から遠くに山並が見えます。空は真っ青。気持ちよい風がすきまから吹き込んできます。まわりはバナナ、マンゴー、アボカド、パパイヤなどの緑と花でいっぱい。そこをハチドリが鋭い鳴き声で飛んで行きます。昨日はサンホセ中心部に出てレンタカーを借り、にぎわう街を歩きました。最初は普通車を予約していたのですが、地元の人が田舎の道は穴がいっぱいあって車の下をこすっちゃうよと言うものですから、結局スズキ・ジムニという4輪駆動車になりました。ちょっとショックアブザーバーが疲れているようですがまあこんなところでしょう。9日間で保険も込みで375米ドルです。

コスタリカでもっとも感激した食べ物はパイナップル。これまで食べたどのパイナップルよりも味が濃く思わずサラ一杯食べてしまいました。野菜、といっても乾期で数は限られているようですが、どれも新鮮で美味しい。アメリカのサラダはなんとなく物足りなかったのですが、コスタリカの野菜はエネルギーが溢れているといった感じ。

ゆみちゃんは別にスペイン語を習ったわけでもなく、若い頃ちょっとスペインを旅行したくらいなのに、コスタリカ人とぺらぺらしゃべっているんです。これはじつは本人もびっくりしているくらいで、どういうわけかスペイン語がすっと頭に入ってくると言うのです。スペインを旅していたとき、ああここにいつかいた、というDe Javu経験があったそうですが、おかげで大助かりです。なんしろ通訳代が節約できるから。

話は、アメリカでのことに飛びますが、ワシントンDCを離れる最後の日。朝6時のマイアミ行きのフライトだったため、その晩はほぼ徹夜で、朝3時に子どもたちを起こし(もっとも杏菜はなんとか起きましたが真生は眠りから醒めず抱いて)てタクシーに乗せるまでがまず大変でした。前夜から雪が降り出していて道路は真っ白。タクシーはのろのろと慎重に動いて行きます。雪になったため温度が上昇したのか幸い凍っていないのでそれほどスリップする様子はありません。ゆっくりと運転する運ちゃんの「こどもは大変だよねえ。どこからだい?」という会話からはじまって「俺はカメルーンから出稼ぎに来たんだよ。こどもは10人だ」にびっくり。よく聞いてみると奥さんが3人いると言います。「アフリカじゃねえ、かみさんが一人だけなんていうのは馬鹿にされちゃうんだよ。俺のとうさんには20人のこどもがいたよ」「もっともアメリカでも2〜3人ワイフをもっているじゃないかい。秘密にね」「アフリカでは子どもも大人もみんな一緒に仲良く暮らしているよ」

そしてもっともこのアフリカから来たタクシーの運ちゃんにびっくりしたのは、なんとデニス・クシニッチを知っているというのです。普通のアメリカ人でさえもしらないのに。しかも私たちが参加した平和省会議のことも、ゲストのディーパック・チョプラまでも知っているのです。ゆみちゃんは話のなりゆきにびっくり、この運ちゃんはよほどのインテリだと、早速インタビューする価値ありだとコンピュータを取り出しました。
というわけで空港までの雪道ハイウェイーをのろのろ走りながら大笑いの道中になりました。

「カメルーンの田舎はすべて自給自足だよ。そして村の真ん中にかならず大きな木があるんだ。その幹にちいさな小屋がある。食べ物があまったら村人はそこに置いていくんだ。食べ物がない人のためにだ。そうやってみんな助け合って暮らしているのがアフリカだ。それに比べてアメリカ人はどうだい?狂っているとしか言えないね。それも根本的なところで」

運ちゃんの話はどれも納得することばかり。アメリカに来てもっとも感動する場面だったかもしれません。住所ももらったのでいつかカメルーンに行こうという話になりました。

さて、今日はこれからモンテズマというビーチに向います。そこに1週間滞在する予定で、そこからいろいろ探索しようというわけです。平和憲法を持つ軍隊のないコスタリカ。そうはいっても隣のコスタリカから難民が流入して犯罪などいろいろと問題になっているようです。経済問題も大変そうです。副大統領との会見を予定していたのですがどうやら難しいらしいので、とりあえず、この国をできるだけ見て回ることにしましょう。

0 件のコメント: