水曜日, 9月 27, 2006

9月27日偏向するメディア

先日、普段接することの少ない実社会(こういう表現もおかしいですね。本当は私たちの世界が実社会だと思っているんですが)の人たちと懇談する機会がありました。みなさん相当の肩書きある方々ばかりです。話しが世相や政治のことになると、「朝日新聞はずいぶん偏向している」「やはり読売がいちばんバランスがとれているようだ」「東京新聞などは極左だね」という言葉が全員から出てきて、正直びっくりしました。うーん、と考えさせられました。それはこの人たち、つまり今の日本の社会を代表すると言ってもいいエリート連中が、ここまで右傾化している現実にショックを受けたからです。そして国際的な視点がとても欠如していることにも気づきました。読売しか読まないのであれば、相当偏向していることは想像出来ます。

私は、毎日海外からのインターネットニュースを読んでいるので、世界がいまどう動いているのか、暴力的な大国のグローバリズムや軍事・経済政策がどのように小国(第三世界)に影響を与えているのか、日本の一般紙以上の情報をオンラインでつかんでいるつもりです。

その視点からすれば、日本のマスコミはまだ鎖国状態といっても過言ではありません。たしかにアメリカのジャーナリズムは危機に瀕していると言われますが、日本のジャーナリズムに比較すれば政府批判という本来あるべき路線を堅持しようという気骨あるジャーナリストがたくさんいます。うらやましいほどです。NYタイムズもたしかにイラク戦争開始時にはブッシュ政権をよいしょし過ぎと批判されていましたが、ちゃんとその後社説で自己批判しましたし(日本のマスコミで、ブッシュのいいなりにイラク戦争に加担した小泉政権を無条件に支持したことを自己批判したTV局や新聞があったでしょうか)、最近では政権批判の色を強めています。日本と同じく、与党共和党が議会専制になって野党の政治批判が機能していない現在、メディアの政権チェックが唯一の救いになっていると思います。もちろんそれを支える国民の眼があるからですが。

昨日の読売の社説は、新しい安倍内閣をべたほめでした。こういう日本を代表するメディアが政権の走狗に成り下がっている状況を、実社会で活躍している連中が当然とみていることに背筋が寒くなる思いがします。

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